“あったか”大辞典 No. 13

こどもの“ねむり”

あと数日で「こどもの日」も控えていることですし、読者のみなさまの中にもお子さんをお持ちの方もたくさんいらっしゃることかと思いますので、今回は『こどもの“ねむり”』について少し書いてみたいと思います。大人の“ねむり”にも共通する部分もあろうかと思いますので、興味・関心のある方はどうぞお付き合い下さいね。では、はじまりはじまり~ o(^O^*=*^O^)o

寝る子は育つ

「寝る子は育つ」・・・昔からよく言われる言い回しです。では、本当に“寝る子”は育つんでしょうか?人は眠っているとき静かにしているのは、眠り始めた最初の間だけで、後は「いびき」「歯ぎしり」「寝言」「寝返り」などしたり、赤ちゃんなどでは「夜泣き」なんかもするため、じっとしてはいません。つまり、じっと静かに眠っていれば疲れも取れ、体の発育にも良い・・・とはいっても、人はじっと眠っているわけではないんですね。では、何が疲労回復やこどもの発育を手助けしているんでしょうか?そう、それは『成長ホルモン』なんです。

成長ホルモンの不思議

こどもの成長にとって、“ねむり”が特に大切だという大きな理由は、『成長ホルモン』が重要なファクターとなっているんですね。それは、こどもの成長・発育に関係のある『成長ホルモン』は、ノンレム睡眠のときにたくさん分泌されることがわかってきたからです。それでは、『成長ホルモン』は、[こども ⇒ 大人 ⇒ 老人]となるにつれて、どのように変化していっているのか、といいますと・・・
◇こども(思春期前)・・・・眠っているときにいっぱい出る
◇児童(思春期後)・・・・・眠っているとき+起きているとき
◇大人・・・・・・・・・・・眠っているとき(眠りはじめて約70分後)
◇高齢者(50才以上)・・・出ない(エーッ!ショック! (ioi) )
といった感じで、年齢に応じて変わっていきます。つまり、こどもにとっては「寝ているとき」しか『成長ホルモン』は出ないんだから、いっぱい寝たほうが成長の度合いはイイわけです。だから、やっぱり「寝る子は育つ」ということなんですね。

こどもの手があったかい!

こどもの手のひらにさわると“あったかく”なっている時って、みなさん、いつだか分かりますか?ご飯を食べてるときでもなければ、おしっこをしてるときでもありません。そう!それは、まさに眠ろうとしているときなんですね~!
これは「交感神経」と密接な関連があります。ふつう人は交感神経が働くと血管が収縮して、血液量が少なくなります。ところが、手や足のような体の末端部の血管には交感神経だけしかきていません。そして、交感神経の緊張している状態は、最も“ねむり”に遠い状態といえます。つまり、自律神経の働きにより、交感神経が鈍くなると血管が広がって、手先や足先があったかくなってくるわけですね。これは、こどもや赤ちゃんがむずかったときなどに、けっこうチェック・ポイントとして有効です。そんなときに、手のひらを握ってやると“あったか”ければ眠くなってきている証拠です。自然にまかせて、安心感を与えてあげれば、ほっといても眠ってくれるでしょう。逆に“あったか”くなければ、寝かすのはあきらめて、もう少し遊ばせてあげれば、やがて時間の経過とともに今度は本格的に手足が“あったか”くなるかもしれませんよ。
また、冷え性の方もチェックしてみて下さい。足先や手先が冷えていると、なかなか“睡魔”はやってはきません。寝つきの悪い方なんかは、手先・足先をあっためてやることで、寝つきが良くなるかもしれません。身に覚えのある方は、一度、お試しあれ!!! \(^O^)/

こどもの昼寝は午前中

ふつう“昼寝”というと、午後にするものだと考えがちですよね。大人の昼寝は食後の体温が上昇⇒下降の曲線を描くときに、10分~15分の短時間に、サッと取ってしまうのが効果的です。でも、こどもの“昼寝”はちょっと違います。では、いつ昼寝をさせればいいの?・・っていうことになりますが、正解は「午前中」なんですね。これは「午前中」の昼寝の方がこどもたちの寝起きが良く、午後の活動がより活発的になるからです。そうなると、昼間、一生懸命遊んで、夜は早い時間にバタン、キュウ~となって、『成長ホルモン』もいっぱい出て、万々歳といった一日になるんですね。逆に午後の昼寝だと、活発に遊び回る時間も少なくなり、ましてや本格的な睡眠時間の夜に近い時間帯なので、寝つきも悪くなってしまうようです。“お昼寝”タイムを午前中、または、午後の早い時間に設定している保育園などは、こどもの生理を的確に捉えてているといえるでしょうね。 (^_-)-☆

よく遊び、よく学べ

「よく学び、よく学べ」???最近のこどもたちは、けっこうこのパターンの日常を強いられていませんか?ましてや、ちっちゃなお子さんは遊びたい盛りに、遊べないとフラストレーションがたまり、今風に言うと「切れた!」子供たちが出来上がることになってしまいます。「遊ぶ」ということは、家の中でTVゲームやパソコンなどをして「遊ぶ」のとは、ちょっとニュアンスが違います。外に出て、思いっきり体を弾ませて、汗もいっぱいかいて“遊ぶ”ことを指しているんですね。そうなれば、ヘトヘトになって帰ってきて、バタンキュ~で眠りにつく時間も早いし、睡眠の質も良くなります。もちろん、勉強も頑張ってやれば、脳が適度に疲労して、こっちの方面からも睡眠の質が高まります。ということで、ありきたりなようですが「よく遊び、よく学べ」というのが“こどものねむり”のためには一番、良いようですね。

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