レム睡眠とノンレム睡眠
みなさん、寝ている時に「金縛り」にあったことはありますか?わたしはいままで何度か「金縛り」を経験しています。正直言って、最初はものすごく怖い体験でした。髪の長~い白装束の乱れ髪の女性が、胸の上に乗っかってるんじゃないかー!?なんて思って、怖くて目も開けられないほどでした。でも、その「金縛り」はある程度、科学的に解明できる現象なんですね。(科学的でない場合は、陰陽師の出番かもしれないよ~!?)それは「レム睡眠」が関係しているからなんです。
「金縛り」は「レム睡眠」のいたずら
「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」は一晩、寝ている間に周期的にやって来る睡眠のリズムです。一般的に「レム睡眠」は浅い眠り、「ノンレム睡眠」は深い眠りを指し、この2つがセットで約90分周期で、一晩に4~6回くらい繰り返します。簡単に言うと「レム睡眠」では“体”が休息状態にあり、「ノンレム睡眠」では“脳”が休息状態にあります。そして「金縛り」は「レム睡眠」が出現している時期に起こります。
夢を見ない人なんていない?
よく「わたしは夢を見ないんです」という人がいらっしゃいますが、人の睡眠生理では“夢”は多い少ないがあるにしても、誰しも必ず見ているものです。そして、その“夢”は「レム睡眠」の時に見ます。冒頭にも述べたように「レム睡眠」は「急速眼球運動」で、この状態の寝ている人の眼球を観察すると、瞼の下で目がクルクル動き回っているのを目撃することができます。
※これって、見てるとけっこう面白いので、もし家族の誰かが寝てたら、横でその寝顔を覗いてみて下さい。「レム睡眠」時は、びっくりするくらい、目が一所懸命、動き回っているのが分かりますよ!この状態では“脳”は非常に活発な状態にあるのですが、“体”はグッタリ弛緩した状態です。そして、この状態の時、なんらかの弾みで覚醒してしまったら、あたかも“夢”の続きを追いかけているようなボーっとした意識の下、“体”は鉛のように重いわけですから、誰しもビックリするわけですね。これが「金縛り」の正体です。
“体”のねむり「レム睡眠」
“脳”のねむり「ノンレム睡眠」
睡眠にはいろいろと難しい定義がありますが、あえてわかりやすく言ってしまうと、“体”のねむりは「レム睡眠」で、“脳”のねむりが「ノンレム睡眠」といえそうですね。赤ちゃんは「レム睡眠」が多いそうです。そういえば、赤ちゃんの眠っているときの目は、いっつもクルクル動き回っていますね。それが大人になるに従い、「ノンレム睡眠」の割合が増えてきます。大人は勉強したり、恋に悩んだり、会社で企画書を作ったり・・・で、頭をフルに回転させることが多いので、“脳”を休息させる必要が大きいんですね。でも、過剰な運動などで疲れ切った状態で眠ってしまうと、“体”を休ませようとしてる「レム睡眠」時に「金縛り」にあっちゃたりするんですね~!
朝、スッキリ起きるためには・・・
朝、起きるとき、寝ぼけて“体”が重くって起きにくいー!・・・なんてことはありませんか?一晩の眠りの周期の中で、何度か繰り返される「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のセットの割合は、朝に近づくにつれ「レム睡眠」の方が多くなっていきます。したがって、この「レム睡眠」の真っ最中に起きようとすると、上記のような憂き目にあってしまうわけなんですね。では、朝、スッキリ起きるためには・・・どうすればいいか?睡眠のセットは「90分」がワン・サイクルです。これには当然のことながら、個人差があるわけですが、ある程度はこの周期に合わせて、睡眠計画をたてると理想的な睡眠ライフが実現できそうです。つまり、「90分」の倍数に睡眠時間を設定して、その切れ目に当たる時間に起きるようにするんですね。夜11時に就寝する人は「90分×5=450分(7時間30分)」で朝の6時30分に、目覚まし時計をセットして眠りにつく・・・というパターンですね。
※あくまでシュミレーションですので、実行される方は数日間に渡って、ご自身の起きやすい時間帯を探ってみて下さい。
今回の“あったか”大辞典では、ちょっと難しかったですが、睡眠環境の改善のためには避けて通れない「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」についてお話してみました。これからは「金縛り」に遭っても、怖がらずに“脳”の落ち着きと“体”の覚醒を待って、ゆっくり起き上がって下さいね。でも、もし本当に“髪の長~い白装束の乱れ髪の女性”がいたら・・・~m(--)m(/;°ロ°)/